0. このページの位置づけ
このページでは、標準座標で与えられたベクトルを、別の基底での座標へ直す。
前ページの「能動変換と受動変換」では、対象を動かすことと、ものさしを変えることを分けた。ここでは、ものさしを変えたときに、同じベクトルがどのような座標で表されるのかを見る。
1. 標準座標から別基底の座標へ
ユーザー
理解した。次へ。
ChatGPT
次は、標準座標から別の基底での座標へ直す。
標準座標で、
$$\mathbf{v}=\begin{pmatrix}3\\1\end{pmatrix}$$
というベクトルがある。
新しい斜め基底を、
$$\mathbf{b}_1=\begin{pmatrix}1\\1\end{pmatrix},\quad \mathbf{b}_2=\begin{pmatrix}1\\-1\end{pmatrix}$$
とする。基底を列に並べた行列は、
$$B=\begin{pmatrix}1 & 1\\1 & -1\end{pmatrix}$$
である。
B座標を
$$\mathbf{v}_{B}=\begin{pmatrix}a\\b\end{pmatrix}$$
と置くと、
$$a\mathbf{b}_1+b\mathbf{b}_2=\mathbf{v}$$
つまり、
$$a\begin{pmatrix}1\\1\end{pmatrix}+b\begin{pmatrix}1\\-1\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}3\\1\end{pmatrix}$$
左辺は、
$$\begin{pmatrix}a+b\\a-b\end{pmatrix}=\begin{pmatrix}3\\1\end{pmatrix}$$
なので、
$$a+b=3,\quad a-b=1$$
を解いて、
$$a=2,\quad b=1$$
したがって、
$$\mathbf{v}_{B}=\begin{pmatrix}2\\1\end{pmatrix}$$
である。
2. 斜め基底は45度回転なのか
ユーザー
これって、右に45°回転させることかな?
ChatGPT
結論から言うと、45°回転っぽいが、純粋な右45°回転ではない。
$$B=\begin{pmatrix}1 & 1\\1 & -1\end{pmatrix}$$
の列は、
$$\mathbf{b}_1=\begin{pmatrix}1\\1\end{pmatrix},\quad \mathbf{b}_2=\begin{pmatrix}1\\-1\end{pmatrix}$$
であり、右上45°方向と右下45°方向を向いている。
ただし、基底ベクトルの長さは1ではなく、
$$\sqrt{2}$$
である。また、行列式は、
$$\det B=-2$$
なので、面積を2倍しつつ、向きも反転している。
したがって、B は純粋な回転ではなく、45°方向の斜め基底を作る変換であり、拡大と反転を含む。
3. 何が変わり、何が変わらないのか
ここで区別したいのは、ベクトルそのものと、その座標表示である。
同じベクトルでも、標準基底で測れば
$$\begin{pmatrix}3\\1\end{pmatrix}_{標準}$$
と書ける。斜め基底で測れば、
$$\begin{pmatrix}2\\1\end{pmatrix}_{B}$$
と書ける。
変わったのは、対象そのものではなく、測り方である。
基底変換とは、同じ対象を、別のものさしで測り直すことである。
次に扱うのは、逆行列である。ある基底の座標から標準座標へ、また標準座標から別基底の座標へ戻るためには、逆向きの変換が必要になる。